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ブタがいた教室

ブタがいた教室
監督:前田哲
原作:黒田恭史 脚本:小林弘利
出演:妻夫木聡、大杉漣、田畑智子、池田成志

五つ星評価:★★★

1990年7月から1992年3月まで、大阪のとある小学校で当時新任教師であった黒田恭史氏が「いのちの授業」として、クラスでブタを飼うことを始めた有名な実話を元に、現代版で映画化された作品。

6年2組を担任することになった新任教師の星(妻夫木聡)は、1年間クラスでブタを飼育する授業を考えた。子供たちも興味を示し、ブタにPちゃんと名づけ、苦労しながら世話をはじめた。やがて、彼らの卒業までにPちゃんを本当に食べるべきか生かすべきか、クラスの意見は二つに割れてしまうことに。

黒田氏がこの授業を始めるきっかけとなったのが、鳥山敏子氏の「いのちに触れる」に影響を受けているという。鳥山実践といわれる、生き物を飼ってそれを食べるというものだ。これを参考に、小学生達に"いのち"は何なのか?を考えてもらうために、ブタを飼い始めることにしたという。やはり当時から反響が大きく、「授業ではない」「あなたは教育者ではない」など批判的な意見も多かったという。

さて、この映画、ブタの飼育をするクラスの物語として、ほのぼのとした作品だと考えて見に来てしまうと肩透かしを食らってしまう(特に子連れの親御さん達
確かにPちゃんの行動は見ていてかわいいが、この作品で焦点を当てられているのは、子供たちの議論である。

オーディションで選ばれた子供たち26人の脚本には台詞がなく、結末が分からないものであったという。もちろん、スタッフやキャストにはちゃんとしたものが用意されているが、実際に彼らが廃校でブタを飼育しながら、食べるか食べないか真剣に考えて、作品に携わるようにしたという。
星先生役の妻夫木聡も、先生役に徹し、撮影外でも先生役を通したりしたという。その当時を追体験させようというわけだ。

その成果なのか台本無しでの討論シーンでは、子供たちは白熱の議論を繰り広げている。感情的な意見を言う者、理屈っぽい意見を言う者など、あまりの大激論に涙を流してしまったり、取っ組み合いのケンカになりそうになったりと、本当にグッとくるものがある。
多くの大人が泣けるのも分かる気がする。

が、シーン自体は良いが逆に作品として他の場面とは浮いてしまって、噛みあってない印象ばかり残ってしまう。ドキュメンタリーとフィクションが混在したような感じで、折角の生の部分も、結局は予定調和な雰囲気が漂ってしまっている。
これでは結末がどうなってしまおうと「今までのは何だったの?」と言わざる終えない。

最後も見送る場面で終わってしまい、その後は少しも描かれていない。子供たちの命に対する葛藤を描きたかったのか、情が移ったPちゃんが行ってしまう感動を描きたかったのか、良く分からない。別のいのちの上に成り立つ食の大切さを描きたかったのなら、最後に食べているシーンを少しでも入れて良かったように思う。1993年に反響を呼んだドキュメンタリーがあるが、今回は何を描きたかったのだろうか?原作を元にしているのだったら、もっと冒険しても良かったのでは?

子供たちの揺れ動く感情にばかり気をとられて、作品そのものの意義がブレてしまっているのが惜しい。
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SUKEKIYO

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