ザ・ムーン

監督:デヴィッド・シントン 製作:ダンカン・コップ
音楽:フィリップ・シェパード
撮影:クライヴ・ノース
出演:バズ・オルドリン、マイケル・コリンズ、デイヴ・スコット、ジーン・サーナン、ジム・ロヴェル、ジョン・ヤング、エドガー・ミチェル
五つ星評価:★
1967年~1972年に実施されたアポロ計画を、当時計画に関わった元パイロット達やNASAの蔵出し映像などを元に、ロン・ハワードがプロデュース、デヴィッド・シントンが監督をしたドキュメンタリー。
1969年7月21日、アポロ11号のニール・アームストロング船長とパイロットのバズ・オルドリンが、月面に人類で初めて到達した。「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である(That's one small step for [a] man, one giant leap for mankind.)」という言葉は、当時を知る人にとっては感慨深いものであるだろう。
合計6回、計12人の宇宙飛行士達を月に送った。正に偉大な全人類の功績である。
しかし、それに至るまでには宇宙開発競争の最中、様々な問題や犠牲の元に成り立っている。
今作は、40年間冷却保存されていた秘蔵映像や、月に降り立った12名の内10名のパイロットのインタビューを元に、裏などが綴られている。
蔵出しの映像には、そんな所まで撮られていたのかというような部分から、宇宙のダイナミックさが伝わる映像まで、貴重なフィルムの数々が見られる。
パイロット達のインタビューも、まるで子供のように当時を振り返り、苦難や喜びを体験した者でしか分からない話をしている。打ち上げの緊張から、月の感触、そして帰還した喜び。
よく言われる事だが、パイロットは宇宙という神秘に触れると、神秘的な何かに取り付かれるというが、そんな雰囲気が垣間見られる。
映画としてみると、編集が単調でかなりの眠気を誘う。単にツギハギっぽいので、飽きさせない工夫が欲しかった。シントン監督はこれが初の長編ものらしいが、練ればもっといいものが出来たはず。
最後にしっかりアポロ捏造疑惑に対してのコメントを入れてくるあたりが上手い。
「アメリカ人は、2人だけの秘密でさえ隠せないのに、数千人もの人が黙っているなんて不可能だ。」
「歴史的な出来事には陰謀説が付きまとうものさ。」
「我々が月に降り立った足跡は、誰にも消せはしない。」
これにはガツーンときたね。
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