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闇の子供たち

闇の子供たち
監督・脚本:阪本順治
原作:梁石日
出演:江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡、佐藤浩市

五つ星評価:★★★★

崔洋一監督が映画化した『血と骨』などで知られている梁石日原作の同名作品を、『亡国のイージス』などで有名な阪本順治監督が映画化

その作品性から話題になり、テレビなどでも取り上げられ、上映館数が一気に増えたことは記憶に新しい。

タイのバンコクで行われる子供の臓器売買の取材を江口洋介演じる南部浩行が始めるところから物語は始まる。

豪華キャスト陣がこれほど暗いテーマの映画に出演していることも驚きではあるが、児童買春、臓器売買、貧富などこの作品に描きだされている問題は非常に重い。子供たちを「モノ」として扱い、そこに渦巻く大人たちの欲望、そして金。全てが真実で、今も日本が次の総裁は誰だと言っている間にも現実に行われていることである。

この撮影に際し、江口洋介らも実際に危険区域などでの撮影のため緊張を要したとインタビューに答えたぐらい、気合が入っている出来と言える。

ビルの立ち並ぶ街から離れた所に、トタンで作られたような家に住んでいる人々がその貧富の差を象徴的に映し出していた。そこで暮らす親達は稼ぎ口もなく、子ども達をまともに育てることも出来ずにいる人々も少なくない。そうして売りに出された子ども達や連れ去られた子ども達は、闇ルートで商品として扱われているのである。

最もショッキングなシーンはやはり児童買春の描写であろう。直接描写はないにしろ、かなりギリギリの部分は描写されている。子供相手に汚いケツの大人たちが腰を振っているところなど、普通の人なら、気持ちが悪く、嫌悪感が出るに違いない。そして、これは子ども達にとって地獄でしかない。

その子ども達の中には生きたままの臓器提供者として連れて行かれる子がいる。日本では15歳以下の臓器移植は出来ない。そのため直ぐに手術が可能で、格安で出来るタイなどを闇ルートで希望者達はすがってしまうのである。

南部達はその実態をメディアの力で暴きだそうとするわけだが一方、NGOの音羽を演じる宮崎あおいは、タイの子どもを救うため、受給者達親を説得しようとする。ここでのやり取り、対比が頭に残る。

確かに彼女の主張は、一般論として正しいであろう。しかし、それでは手術待ちの子どもが死んでしまう。どちらに転んでも、一方が犠牲になるし、タイの子を一人助けたとしても次の子が犠牲になる。二律背反な上に、止まらない連鎖。

この映画で描こうとするのは、こうした行為を行う国があるということを知らせるというより、平凡に生きている我々に対する警告であると思う。

ラストも興味深い。正直、問題提起だけで終わってしまうかと思っていたのだが、物語としても衝撃的なラストには悲痛なメッセージが込められている。そこまでに至るまでに伏線がところどころにあるのだが、このラストは、つまり我々が侮蔑するであろう人々の中にも苦悩があるということを表しているのだろう。

ただ、あまりに問題が大きく、作品としてどう見せるか悩んだのか、荒削りな部分も無きにしも有らずなので、若干わかりにくい部分もある。あと、桑田佳祐が主題歌の「現代東京奇譚」を担当しているが、正直合っているか合っていないか、意見が分かれるんじゃないかなぁ・・・。個人的には違和感があったかな
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